注意事項
採血前
- 複数の識別情報で本人を確認し、検査項目とラベルを照合する。
- 採血時刻、食事、安静、体位、点滴など、結果に影響する条件を確認する。
- 皮膚障害、感染、血腫、浮腫、麻痺・知覚障害、透析シャント、手術歴などを確認する。
- 採血時の失神歴、出血傾向、抗凝固薬、消毒薬・テープのアレルギーを確認する。
採血中・採血後
- 電撃痛、強い痛み、しびれがあれば採血を中止し、速やかに報告する。
- 顔面蒼白、冷汗、悪心、めまいなどの血管迷走神経反応に注意する。
- 抜針後は確実に止血し、腫脹、疼痛、出血がないか確認する。
目的
- 診断や治療方針の決定に必要な血液検体を得る
- 治療効果や患者状態の変化を評価する
- 検査に適した品質の検体を採取する
- 患者誤認・検体取り違えを防ぐ
- 神経損傷、血腫、針刺しなどの合併症を防ぐ
必要物品
- 手袋、手指衛生用品
- 指示された採血管(スピッツ)とラベル
- 安全機構付き採血針または翼状針、ホルダー
- 駆血帯、消毒綿、清潔なガーゼ、固定用テープ
- 耐穿刺性の鋭利物廃棄容器
- 必要時:防水性エプロン、検体搬送容器
針の種類・太さ、採血管の本数・必要量は、血管状態、検査項目、製品の電子添文に沿って選ぶ。
末梢静脈採血の基本手順
- 指示と本人を確認する
検査項目、採血管、採血条件を確認。患者へ目的と流れを説明。
- 物品と環境を整える
必要物品を手元に準備。鋭利物廃棄容器を近くに置く。
- 穿刺部位を選ぶ
皮膚・血管の状態を観察。安全に採血できる部位を選ぶ。
- 手指衛生・駆血・消毒を行う
駆血後に血管を確認。穿刺部位を消毒し、十分に乾燥させる。
- 穿刺し、採血する
表情、痛み、しびれ、気分不良を観察。真空採血管は電子添文に従う。
- 抜針・止血する
ガーゼで圧迫しながら抜針。安全機構を作動させ、針を直ちに廃棄。
- 検体を仕上げる
規定どおり混和。患者のそばでラベルを照合。止血と全身状態を確認して提出。
関連知識
採血管の順番
添加剤の混入を防ぐための代表的な採取順。検査室の手順と採血管の電子添文を優先する。
| 順番 | 採血管 | 主な検査分類 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | 血液培養ボトル | 微生物 | 無菌操作と規定量を優先。 |
| 2 | 添加剤なし | 生化学・免疫など | 使用する場合のみ。 |
| 3 | クエン酸入り | 凝固・血沈 | 規定量まで採取。血液と添加剤の比率を保つ。 |
| 4 | 血清用 | 生化学・免疫・血清 | 凝固促進剤・分離剤の有無を確認。 |
| 5 | ヘパリン入り | 生化学(血漿)など | 検査項目と添加剤を照合。 |
| 6 | EDTA入り | 血算・HbA1cなど | 採血後、規定どおり穏やかに混和。 |
| 7 | 解糖阻止剤入り | 血糖・乳酸など | 必要量と混和回数を確認。 |
キャップの色だけで判断しない。色、添加剤、必要量は製品・施設で異なる。検査項目との組み合わせも検査室の手順で確認する。
主な合併症
- 神経損傷
- 電撃痛、強い痛み、しびれ、運動・知覚の異常に注意する。
- 血管迷走神経反応
- 気分不快、めまい、冷汗、悪心、顔面蒼白などを観察する。
- 皮下血腫・止血困難
- 腫脹、疼痛、出血を確認し、適切に圧迫止血する。
- 針刺し・血液曝露
- リキャップせず、安全機構を作動させて直ちに廃棄する。
検体品質を保つポイント
- 患者、ラベル、検査項目を採血前後に照合する
- 長時間の駆血や強い吸引を避け、溶血を防ぐ
- 採血管ごとの必要量と混和方法を守る
- 採血時刻、体位、食事、輸液などの条件を記録・共有する
- 温度、遮光、時間などの搬送条件を確認する