標準予防策と感染経路別予防策
- 接触
- 飛沫
- 空気
標準予防策は、感染症が判明している患者だけに行うものではない。血液・体液などを感染の可能性があるものとして扱い、ケアの内容と曝露の可能性に応じて対策を選ぶ。
接触感染
患者や周囲の物品に触れて運ばれる
代表的な例
- MRSAなどの薬剤耐性菌
- ノロウイルス感染症
- クロストリディオイデス・ディフィシル感染症
- 疥癬
主な対策手指衛生、手袋・ガウン、患者周囲の環境整備
飛沫感染
咳や会話などのしぶきで届く
代表的な例
- インフルエンザ
- 百日咳
- 流行性耳下腺炎・風疹
- 髄膜炎菌感染症
主な対策サージカルマスク、必要に応じた目の防護、患者配置
空気感染
細かな粒子が空気中を漂う
代表的な例
- 肺結核・喉頭結核
- 麻疹
- 水痘
- 播種性帯状疱疹
主な対策N95等の呼吸用防護具、適切な換気・病室管理
感染経路別予防策は、標準予防策の代わりではなく追加して行う。診断確定前でも感染症が疑われる段階から開始する場合がある。水痘・播種性帯状疱疹では空気予防策と接触予防策を併用するなど、複数の経路へ対策が必要な感染症もある。適用・解除は施設の手順を確認する。
手指衛生
流水と石けん
目に見える汚れがある
- 血液・体液などで汚れている
- トイレのあと
- 施設が流水手洗いを指定する場面
汚れと微生物を洗い流す
アルコール擦式消毒
目に見える汚れがない
- 多くの臨床場面で第一選択
- 必要量を手全体に広げる
- 乾くまで擦り込む
短時間で多くの微生物を減らす
見落としやすい場所
- 指先・爪
- 親指
- 指の間
- 手の甲
- 手首
手指衛生の5つのタイミング
- 患者に触れる前
- 清潔・無菌操作の前
- 体液に曝露した可能性のあと
- 患者に触れたあと
- 患者周囲に触れたあと
個人防護具
- 手に触れる可能性がある:手袋
- 衣服や皮膚が汚染される可能性がある:ガウン
- 鼻や口へ飛散する可能性がある:マスク・呼吸用防護具
- 目へ飛散する可能性がある:ゴーグル・フェイスシールド
着ける順番
- 手指衛生
- ガウン
- マスク・N95等
- 目の防護
- 手袋
外す順番
- 手袋
- ガウン
- 手指衛生
- 目の防護
- マスク・N95等
- 手指衛生
外側は汚染している前提で、手袋の外側やガウンの前面・袖に素手で触れない。外す順番や場所は、防護具の種類と施設手順によって異なる。
感染性廃棄物の分類
感染性廃棄物は、形状に合う容器へ使用場所で分ける。以下は環境省マニュアルのバイオハザード表示色。実際の容器と分別は施設の表示を確認する。
液状・泥状
血液など、液状または泥状のもの
固形状
血液が付着したガーゼなど
鋭利なもの
注射針など、貫通のおそれがあるもの
- 使用場所ですぐ廃棄持ち歩く距離を増やさない
- 押し込まない満杯になる前に容器を交換
- 迷ったら確認施設の分別表を確認
詳しい感染対策
疾患別の対応、詳しい手順、根拠の整理は、別サイト「ICG」にまとめる予定。
出典
- WHO:感染予防・管理のための標準予防策
- 厚生労働省:標準予防策・感染経路別予防策に関する資料
- WHO:手指衛生の5つのタイミング
- CDC:医療従事者の手指衛生
- CDC:個人防護具の着脱順序
- 環境省:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル
学習用の整理。実際の感染対策は、所属施設の最新版マニュアルと感染管理担当者の指示を優先する。