注意事項
実施前
- 安静度と洗髪の可否を確認
- 意識、呼吸、循環、発熱、疲労、疼痛を確認
- 頸部の屈曲・伸展制限、頭頸部の創傷・手術、頭蓋内圧への配慮を確認
- 点滴、酸素、ドレーン、モニター、創部を確認
- 頭皮の創傷、発赤、湿疹、感染、出血、医療用接着剤などを確認
- 患者が行える動作は本人に任せる
実施中・実施後
- 頸部を過伸展させない
- 呼吸苦、めまい、悪心、冷汗、顔色不良、疼痛があれば中止
- 湯温は患者と実施者の双方で確認
- 湯や洗浄剤が眼・耳・気道へ入らないようにする
- シャンプーが残らないようにすすぐ
- 寝衣、寝具、医療機器を濡らさない
- 頭皮と毛髪を十分に乾かし、冷えを防ぐ
目的
- 頭皮と毛髪の汚れ、汗、皮脂を除去
- 掻痒感、不快感、においを軽減
- 頭皮と毛髪の状態を観察
- 爽快感と整容を支援
- 患者の生活習慣と希望を尊重
観察項目
- 意識、呼吸、脈拍、顔色、発汗
- めまい、悪心、倦怠感、疼痛、寒さ
- 頭皮の発赤、湿疹、傷、出血、腫脹、圧痛
- 掻痒感、落屑、皮脂、におい、汚れ
- 脱毛、切れ毛、毛髪の絡まり
- 頸部痛、可動域、体位による苦痛
- 点滴・ドレーン・酸素機器などの位置と作動
- 洗髪後の爽快感、疲労、冷え
必要物品
- 洗髪槽またはケリーパッド
- 排水用ホース
- 排水用バケツ
- 防水シート
- バスタオル
- フェイスタオル
- 洗髪用ボトルまたはピッチャー
- 湯を入れる容器
- シャンプー
- 必要時、コンディショナー
- 眼・耳を保護するガーゼまたはタオル
- 手袋
- くしまたはブラシ
- ドライヤー
- ごみ袋
洗髪槽、排水ホース、洗浄剤は使用製品の取扱説明書を確認。感染対策が必要な場合は個人防護具と物品の処理方法を追加する。
ベッド上洗髪の手順
- 患者と実施条件を確認
洗髪の可否、安静度、体位、頭皮、医療機器を確認。患者へ流れを説明する。
- 環境と物品を整える
室温、プライバシー、ベッドの高さを調整。排水用バケツを安定した低い位置へ置く。
- 毛髪を整える
毛髪の絡まりを毛先からほどく。整髪料、義髪、留め具などを確認する。
- 体位を整える
仰臥位を基本に、頭部をベッドの端へ寄せる。必要に応じて膝を軽く曲げ、頸部と腰部の緊張を減らす。
- 防水と排水経路を準備
肩から頭部の下へ防水シートとタオルを敷く。洗髪槽を置き、排水ホースをバケツへ確実に入れる。
- 湯温を確認
患者の好みと皮膚状態を確認。少量の湯をかけて温度と体調を再確認する。
- 毛髪を濡らす
眼と耳を保護。生え際から後頭部へ少量ずつ湯を流し、顔側への流入を防ぐ。
- 洗う
シャンプーを泡立て、指腹で頭皮を洗う。爪を立てず、創傷や発赤部へ強い刺激を加えない。
- すすぐ
生え際、耳の後ろ、後頭部を確認しながら十分にすすぐ。洗浄剤の残りと排水状態を確認する。
- 洗髪槽を外す
毛髪の水分をタオルで押さえる。排水をこぼさないように洗髪槽と防水シートを外す。
- 乾燥・整容
タオルで頭皮と毛髪の水分を取る。ドライヤーは温度と距離に注意し、頭皮まで乾かす。毛髪を整える。
- 体位・環境を戻す
寝衣、寝具、医療機器を確認。安楽な体位へ戻し、ベッド周囲を整える。
- 観察・記録
実施方法、頭皮・毛髪の状態、患者の反応、異常、実施後の疲労を記録する。
関連知識
方法を選ぶ視点
- シャワー・洗面台
- 離床でき、座位・立位を安全に保てる場合。患者の自立動作を活かす。
- ベッド上洗髪
- 離床できないが、仰臥位と頸部の位置を安全に保てる場合。
- 洗髪車・移動式機器
- 専用機器を使用できる場合。取扱説明書と院内の洗浄・消毒手順を確認。
- ドライシャンプー等
- 全身状態や治療上の制限で湯を使う洗髪が難しい場合。頭皮状態と製品表示を確認。
安楽を保つポイント
- 体位による呼吸苦、頸部痛、腰痛をこまめに確認
- 必要に応じて膝を軽く曲げ、下肢と腰部を支える
- 長時間同じ体位にしない
- 湯温、洗い方、香りなどの希望を確認
- 露出を少なくし、冷えを防ぐ
- 疲労が強い場合は工程を短縮または中止
頭皮を観察する視点
- 発赤、腫脹、傷、出血、圧痛
- 湿疹、落屑、痂皮、びらん
- 皮脂、乾燥、におい、掻痒感
- 脱毛、切れ毛、毛髪の絡まり
- 医療用接着剤、電極跡、圧迫部位
- 異常がある部位は強くこすらず、共有・記録